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     10.「今どきの和室」について
   
弊社では、新築住宅の設計依頼の大半が30代~40代前半です。
一般的にこの世代は「合理的な考え方」・「無駄な所に金をかけない」という特徴があり、住宅にもこの傾向が反映されていると思います。
   
昭和の時代は、敷地の一番良い場所(南面で庭の見える場所)に和室の続き間と縁側があり、その隣(場所によっては北隣)に小さめのダイニングキッチンがある家を多く見かけたものです。家族は日当たりの悪いダイニングキッチンで大半を過ごし、和室の続き間が日の目を浴びるのは年に数回あるかないか?
   
「和室の続き間に乗っ取られた昭和の住宅は」本当に住みやすいのか?答えはNOです。
ただし、その和室をリビングとして使いこなしていれば別です。現代の住宅を考える時、部屋の使用頻度や使用目的によって「採光や通風、庭の見え方等々・・・・。」優先順位を付けることが望ましいと思います。
   
30~40代前半のお施主様は決して和室を否定しているのではなく、むしろ「和室や畳のここちよさ」を充分理解している方、和室の使用方法も具体的に考えている方も多くいます。しかしこの年代で畳の上に布団を敷いて寝る方はごくまれになってきているのも確かです
   
弊社ではそれぞれのお施主様の「和室の考え方や目的」によって、「設置する場所」・「仕上げの種類」等を考察し、その住宅にとってより効果的に和室が使用されるように提案しています。
   
■ 和室を茶の間のごとく普段使いする例
   
この場合はLDKに連続するように設置しています。又、LDKとの間の建具はできる限り引き込み障子を使用しています。障子を引き込み開放した時、よりLDKと一体に見える様に設計しています。
 
   ① LDKから和室を見る。床は目積(めせき)タタミ(一般の畳より目が細かく、ヘリがない)。壁・天井は珪藻土の付いたクロス。
雪見障子を上げると坪庭が見える。炉の設置は見た目も締まり、格式も上がる。
② 和室からLDKを見る。和紙の襖を引き込むと、LDKさらに坪庭につながる。
<作品事例>-白い外観(シンプルモダン)の家
 
   
③ LDKから和室を見る。床は和紙製のカラー畳(銀ねず色)。壁は2色の珪藻土の塗り分け。天井は和紙貼り。雪見障子を上げるとライトコートが見える
④ 和室からキッチンを見る。左側に見える3枚の障子の向うは、実は壁。わずか4帖半の和室だが向うに部屋があるという錯覚から、更なる広がりをイメージする。
写真は普段LDKの延長で、茶の間として使用している状態。客人や親が寝室として使用する場合は、この障子をLDK側(正面)に移動して3枚引戸として機能する。

<作品事例>-オープンエア(開放感にあふれる戸外とのつながり)を楽しむ家
   
⑤ Lから和室を見る。床は和紙製のカラー畳(栗色)。壁・天井は和紙調クロス。床の高さをリビングより30cm上げることにより、踏み板が子供たちのベンチにもなる。
   
⑥ 和室からLを見る。
<作品事例>-ライトコート(中庭)とオープンテラスがある家
   
■ 和室を客間や両親の宿泊等、予備室に使用する例
   
弊社では玄関廻りに設置する場合が多いです。それはお客様が入りやすいという事もありますが、普段障子を開放してもらうことで、玄関と和室がつながり、玄関がより広々とし、又料亭のような高級な雰囲気をかもし出す効果を狙っています。和室の使用頻度が少ない分、普段は「見せる和室」として活躍してもらうためです。
   
⑦ 玄関から和室を見る。玄関から和室と路地の見える光景は客人も驚嘆する。奥のリビングのらせん階段、更には雪見障子を上げると庭も見える。
<作品事例>-増築を含む和モダンリノベーションの家
⑨玄関から和室を見る。玄関が暗くならないよう、和室とらせん階段上部から光を取り入れる工夫をする。和室の床は目積(めせき)畳。壁はジュラク、天井は和紙貼り。
 <作品事例>-デッキテラスを囲む二世帯住宅(店舗兼住宅)
   
   
   
   


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